最近、アクリル製のキーホルダーが人気ですが、木札のキーホルダーも存在感があってなかなか好評のようです。
キーホルダーを木札で作る際は、どのような点に注意したらいいのでしょうか。
また、木札が汚れたときの対処法にも触れてみました。
□木札が好まれる理由
木札のキーホルダーは意外に人気がありますが、その理由は木札が縁起物といわれるところにあります。
木札のルーツは、江戸の町を火事から守った町火消しにあるとも言われています。
町火消しは、火災の延焼を食い止めると、そこに組名を記した消し札を掲げました。
ここから、消し札が災難を防ぐ縁起物として扱われるようになり、それが木札へと変わっていきました。
また、木札は古くから身代わり札としても用いられてきました。
身代わり札を身に着けて、札が割れると身代わりになってくれたしるしといわれています。
まさに縁起物といえるでしょう。
このように、木札を縁起物と見る風習は現代にも受け継がれています。
そして、身代わり札を見ればわかるとおり、木札は身に着けてこそ意味があるものです。
これらのことから、木札がキーホルダーに使われるのは、ある意味当然のことなのかもしれません。
また、キーホルダーの素材として木札が好まれるのは、木札が持つ素材感も大きいのでしょう。
木のぬくもりや癒しの感覚は、アクリルのような素材にはないものです。
□デザインは基本的に文字のみ
キーホルダーの代表的な素材にアクリルがあります。
アクリルを使ってキーホルダーを作る場合は、アクリル面にキャラクターなどのデザインを印刷するのが普通です。
色は何色でも使えるので、カラフルで見た目がきれいなのがアクリルの特徴でもあります。
しかし、木札だとあまりカラフルには作れませんし、デザインを入れることも少なく、ほとんどの場合は文字だけとなってしまいます。
もちろん絵も彫れますが、絵にしても文字にしても、レーザーで彫るのが一般的です。
レーザーも悪くありませんが、個人で作る場合は手彫りにすると手作り感が出ていいかもしれません。
手彫りにすると、本当に世界に1枚だけの木札が出来上がります。
□木札に使う木の種類
キーホルダーの木札に使う木の種類はいろいろありますが、その中で代表的なものをいくつかご紹介します。
*黄楊(つげ)
黄楊は柘植とも書き、将棋の駒にも使われる硬い木材で、木札を作るのに適しています。
黄楊は見た目にも高級感があり、きめが細かく滑らかな肌触りが特徴です。
硬く粘り気が強いために、木材にしたときに狂いが少なく硬いにもかかわらず加工がしやすい素材です。
キーホルダーに使う木札のサイズは好きなように決められますが、ある程度の厚みがあったほうが重厚感のある木札となります。
黄楊は昔から櫛(くし)や簪(かんざし)のように、身に着けるものの材料として使われてきました。
黄楊で作ったキーホルダーを持っていても、違和感を覚えないのはそのためかもしれません。
使い込むことによって飴色に変わっていくのが黄楊の特徴で、使えば使うほど味わい深いものになっていきます。
*桜
桜の木札は黄楊ほどの高級感や硬さはありませんが、持ってみると手になじむ感覚があり、木札の定番素材として人気があります。
彫った文字がはっきり見えるのも桜の特徴で、使えば使うほど愛着が湧いてきます。
桜は建築や家具などにも用いられる木材ですから、丈夫でありながら文字が彫りやすいなど、加工が簡単なので木札を手作りするのにも向いています。
ただし、桜を使った木札は、サイズが大きくなると木目のスジが目立つことがあります。
そのため、スジが見えるのが気になるようでしたら、小さめの木札にするか別の木材にかえたほうがいいでしょう。
しかし、スジや木目は木という素材が持つ特徴なので、キーホルダーとして使うなら、うまく利用すれば味わい深いキーホルダーが出来上がります。
*黒檀
いわずと知れた高級木材です。
黒檀で木札を作れば、高級感あふれる仕上がりになるでしょう。
黒檀にはいくつかの種類がありますが、総じて表面が滑らかで上品な光沢を放つのが特徴です。
アクリルキーホルダーに代表されるように、キーホルダーそのものが若い人向きのアイテムですが、黒檀の木札のキーホルダーなら、年配の男性が身に着けても違和感がありません。
黒檀そのものに重厚感がありますが、もっと重厚感を出したいなら、黒檀に厚みを持たせるといいでしょう。
黒檀は磨けば磨くほど美しくなりますから、使っているうちに表面がすれてくると、最初の頃とは違った味わいになります。
このように、素材が変化していくのを楽しめるのも、黒檀ならではの特徴です。
□木札キーホルダーのサイズ
キーホルダーは本来鍵をつけるものですが、最近ではアクセサリーやスマホのストラップとして使われることも多く、用途によってサイズがまちまちです。
通常のキーホルダーとして使う場合は5cmくらいのサイズで、アクセサリーとしてカバンなどにつけるなら、8cmくらいの大きさが適しています。
また、スマホのストラップとして使うなら、3cmくらいがちょうどいいでしょう。
スマホのストラップは、工夫しだいでいろんな使い方ができます。
たとえば、傘につけておけばお店の傘立てに立てた場合でも、すぐに自分の傘が見つけられます。
□木札を使う際の注意点
木札は割れやすいものですから、キーホルダーを作る際は割れないように注意しましょう。
特に名前を彫るときや、紐を通す穴を空ける際に割れやすいので気をつける必要があります。
木札が汚れたら、すぐに濡れタオルやウェットティッシュで拭き取ってください。
もし汚れがひどければ、中性洗剤を薄く水に溶かしてタオルなどに含ませて、軽く撫でるように拭くときれいになります。
中性洗剤を使ったら、必ず水拭きして風通しのいい日陰に吊るして、乾燥させるのを忘れないようにしましょう。
□木札を手作りしてみよう
キーホルダーはアクリルを使ったものが定番で、手作りでも作れます。
これと同様に、木札のキーホルダーも手作りが可能です。
しかも、アクリルより加工が簡単で、自分の名前を彫るだけでも、重厚感のあるキーホルダーができるのが木札の特徴です。
さらに、木札は柔らかい材質の木材で作れば、彫刻刀などを使って簡単に彫れます。
まず、柔らかい木材で練習して、慣れたらしだいに硬い木材に変えていくといいでしょう。
彫刻刀で手彫りをすれば、まさに世界に1つだけの木札が作れます。
木札を使ったキーホルダーは、このように楽しみながら作れます。
何個か作ってみて、しっかりした木札が作れるようになったら、自分で使う分だけではなく、家族や友人の名前を彫った木札でキーホルダーを作ってあげれば、ちょっとしたプレゼントとして喜ばれます。
□まとめ
キーホルダーを木札で作る際は、割れないように注意する必要があります。
特に自作する場合は、文字を彫ったり紐を通す穴を空けたりする際に割れやすいので気をつけましょう。
木札が汚れたら、濡れタオルやウェットティッシュで拭いてください。
汚れがひどければ、中性洗剤を薄く水に溶かしてタオルなどに含ませて拭き取り、水拭きして風通しのいい日陰に干して乾かしましょう。
木札の素材となる木材にはいろんな種類がありますが、手作りするなら最初は柔らかい木材を使って彫り、慣れてきたら硬い素材にかえていくとうまくいきます。
木札を使ったキーホルダーは、他の素材にないぬくもりと癒しが感じられます。
手彫りすれば世界に1つだけの木札が出来上がりますから、楽しみながら作れます。
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