アクリル絵具は、絵画の世界において近年人気が高まっている画材です。
その魅力は、初心者でも扱いやすく、水彩や油彩のような多様な表現に挑戦できる点にあります。
しかし、アクリル絵具の特徴や使い方を理解していないと、思うように作品が仕上がらないことも。
この記事では、アクリル絵具の特徴や基本的な使い方をわかりやすく解説します。
□アクリル絵具の特徴とは?
アクリル絵具は、水性でありながら油絵具のような表現も可能な、非常に汎用性の高い画材です。
その特徴を詳しく見ていきましょう。
1:乾くのが早い
アクリル絵具の最大の特徴は、その速乾性です。
キャンバスや紙だけでなく、木や布など様々な素材に塗っても、水彩絵具とほぼ同じ速さで乾きます。
これは、制作のスピードを速め、待ち時間のストレスを軽減するメリットをもたらします。
2:多彩な作風が可能
水分の量やメディウムと呼ばれる添加剤を使うことで、水彩風の淡い表現から油彩風の色調まで、幅広い表現を実現できます。
まるで、一つの絵具で様々な顔を持つ魔法の道具と言えるでしょう。
3:様々な支持体に描ける
紙やキャンバスだけでなく、木、布、石、金属など、様々な素材に描くことができます。
表面が油性のものでなければ、ほとんどの素材にアクリル絵具を使用できます。
これは、絵画の表現の可能性を広げ、より自由な創作活動を可能にする大きな魅力です。
4:耐水性・耐久性
アクリル絵具は水で溶いて使用しますが、乾くと耐水性になります。
そのため、水に濡れても絵具が流れ出たり、色が薄くなる心配はありません。
また、絵具の層をしっかり重ねることで、衝撃に強く耐久性のある画面を作ることができます。
長く作品を鑑賞できるのも、アクリル絵具の魅力の一つです。
5:油彩風の重ね塗り表現ができる
アクリル絵具は、油彩のような重ね塗り表現も可能です。
油彩画では、下の層が乾くまで時間がかかるため、重ね塗りに時間がかかりますが、アクリル絵具なら比較的早く乾くため、短時間で重ね塗りを完成させることができます。
6:メディウムのラインナップが豊富
アクリル絵具には、盛り上げたり艶を調整したりするためのメディウムが豊富に販売されています。
メディウムは、絵具の質感や表現を変化させるための魔法の薬のようなものです。
例えば、絵具を厚く盛り上げたい場合は、盛り上げ用のメディウムを使用します。
また、光沢のある表現をしたい場合は、光沢剤を加えるメディウムを使用します。
このように、メディウムを活用することで、アクリル絵具の表現の可能性は無限に広がります。
7:マットで均一な平面表現ができる
アクリル絵具には、水彩絵具と同じように不透明な「ガッシュ」という種類があります。
アクリルガッシュは、水彩ガッシュよりもマットで均一な画面を作り出すことができます。
そのため、デザイン画やイラストなど、平面的な表現に最適です。
□アクリル絵の具の基本的な使い方
1:制作中は筆を水につけたままに
アクリル絵具は乾燥が速いため、使った筆を放置するとすぐに固まってしまいます。
そのため、一度使用した筆は、水に浸けたままの状態にしておく必要があります。
制作後には、水で筆を洗い、穂先を整えましょう。
2:絵具は使う分だけ出す
アクリル絵具は乾くとフィルム状になり、耐水性になります。
そのため、パレット上で保管してそのまま使い続けることはできません。
制作時は、使う色だけをパレットに出して使いましょう。
また、描いている際も、霧吹きや水差しで適宜水分を与え、乾燥を防ぐ必要があります。
3:描き出しは薄塗りを重ねて
一度乾いたアクリル絵具は、後から水で落とすことや、色を淡くすることはできません。
そのため、描き始めは薄い色を多めの水で溶いて、重ねながら徐々に描き進めるようにしましょう。
□まとめ
アクリル絵具は、初心者の方でも扱いやすく、様々な表現に挑戦できる魅力的な画材です。
乾くのが早いという特徴を理解し、筆を水につけたままにする、使う分だけ絵具を出す、描き出しは薄塗りを重ねるなど、基本的なポイントを押さえれば、失敗なく作品作りを楽しむことができます。
ぜひ、アクリル絵具の魅力に触れてみてください。