自作フィギュアの販売を検討していると、「これって違法にならないのだろうか」「著作権的に問題はないのか」と不安に感じる方は少なくありません。
せっかく時間をかけて制作したフィギュアだからこそ、安心して販売したいと考えるのは自然なことです。
自作フィギュアの販売には、著作権をはじめとしたいくつかの法律上の注意点がありますが、正しい知識を持つことでリスクを抑えながら活動することは十分に可能です。
本記事では、自作フィギュア販売における違法性の考え方や、特に問題になりやすい著作権のポイントについて、できるだけ分かりやすく解説します。
これから販売を始める方はもちろん、すでに活動している方にとっても、判断の整理に役立つ内容を目指します。
自作フィギュア販売は本当に違法なのか?
結論:違法になるケースと、ならないケースがある
自作フィギュアの販売がすべて違法になるわけではありません。
違法性が問題になるのは、どのようなモチーフを使い、どのような形で販売するかによって判断されます。
特に重要なのは、そのフィギュアが
・他人の著作物を利用しているか
・著作権者の許可を得ているか
という点です。
オリジナル作品であれば、原則として自分自身が著作権者となり、販売自体が問題になる可能性は低くなります。一方で、既存キャラクターを元にした二次創作フィギュアの場合は、注意が必要です。
「販売=違法」と誤解されやすい理由
インターネットやSNSでは、「二次創作はすべて違法」「売ったらアウト」といった極端な表現を見かけることがあります。
こうした情報が広まりやすい背景には、著作権の仕組みが分かりにくいことや、過去のトラブル事例が断片的に共有されていることが挙げられます。
実際には、法律上の判断は状況ごとに異なり、白か黒かで単純に割り切れるものではありません。
まずは、著作権の基本から整理して理解することが重要です。
著作権とは?自作フィギュア販売で問題になるポイント
著作権の基本|登録不要で自動的に発生する権利
著作権とは、小説・イラスト・音楽・映像・立体物など、人の創作性が認められる表現を保護する権利です。
特別な申請や登録をしなくても、作品が完成した時点で自動的に発生します。
キャラクターデザインや立体造形も、創作性があれば著作権の対象となります。そのため、フィギュアという立体物も、著作権と無関係ではありません。
フィギュア造形と著作権の関係
フィギュア販売で問題になりやすいのは、「既存キャラクターの造形を再現しているかどうか」です。
キャラクターの特徴的なデザイン、服装、ポーズなどは著作物として保護されている場合が多く、それを立体化して販売する行為は、複製や翻案と判断される可能性があります。
たとえ自分で一から造形した場合でも、元となるキャラクターが特定できる場合には注意が必要です。
「似ている」だけでも問題になる場合とは
「完全コピーではない」「アレンジしているから大丈夫」と考えてしまいがちですが、著作権侵害の判断では、本質的な特徴が再現されているかが重視されます。
一般の人が見て、特定のキャラクターを想起できる場合には、リスクが生じる可能性があります。
この点は、制作者本人の意図だけでなく、第三者からどう見えるかが重要になります。
二次創作フィギュア販売が違法になるケース
アニメ・ゲームキャラクターを無断で立体化するリスク
アニメやゲーム、漫画などのキャラクターは、原則として著作権者が存在します。
そのキャラクターを無断でフィギュア化し、販売する行為は、著作権侵害と判断される可能性があります。
これは、個人制作であっても、商業規模でなくても変わりません。
個人制作・少量販売でも注意が必要な理由
「数個しか作っていない」「イベントで少し売るだけ」といった場合でも、販売行為そのものが問題になることがあります。
著作権法では、数量や規模よりも、権利者の許可なく販売しているかどうかが重要視されます。
結果として、権利者から販売停止や削除要請が来るケースも見られます。
よくある誤解と注意点
| よくある考え | 実際の考え方 |
|---|---|
| 趣味制作だから問題ない | 販売すると別の判断になる可能性 |
| デフォルメしている | 元キャラが特定できるとリスク |
| イベント限定販売 | 許可がなければ注意が必要 |
当日版権とは?イベントで販売できる仕組み
当日版権システムの概要
二次創作フィギュアをイベントで販売する場合、「当日版権」と呼ばれる仕組みが用意されていることがあります。
これは、イベント主催者を通じて著作権者から当日限りの販売許可を得る制度です。
代表的なフィギュアイベントでは、この仕組みを利用することで、一定条件のもと販売が認められています。
利用時の注意点
当日版権は、
・販売できる日
・販売できる数量
・販売場所
などが細かく定められています。
条件を超えた販売や、事後の通販などは認められないケースが多いため、必ずルールを確認することが大切です。
オリジナルフィギュアなら安心?著作権の考え方
オリジナル作品にも著作権は発生する
完全オリジナルのフィギュアであれば、制作者自身が著作権者となります。
この場合、他人の権利を侵害するリスクは比較的低くなります。
一方で、自分の作品を守る立場になるため、無断模倣への備えも重要になります。
自分の著作権を守るためにできること
・制作過程のデータを保存しておく
・制作日が分かる写真や記録を残す
・SNSやポートフォリオで公開履歴を作る
これらは、万が一トラブルが発生した際の判断材料として役立つ場合があります。
意匠権登録を検討するケース
量産や継続販売を想定している場合には、意匠権の登録を検討する選択肢もあります。
意匠権は、製品のデザインを保護する制度で、登録によって模倣対策の強化につながる可能性があります。
自作フィギュア販売で著作権以外に注意すべき点
素材の安全性と品質管理
販売する以上、素材の安全性や破損リスクへの配慮も欠かせません。
購入者が安心して扱えるよう、注意書きや取り扱い説明を用意しておくことが望まれます。
販売プラットフォーム選びの考え方
販売先は、運営体制が整っているサービスを選ぶことが重要です。
利用規約や禁止事項を確認し、自身の活動内容に合ったプラットフォームを選びましょう。
トラブルが起きた場合の対処法
冷静な対応と記録の重要性
万が一、権利者や購入者から連絡があった場合には、感情的にならず、事実関係を整理して対応することが大切です。
やり取りの記録を残しておくことも、後の判断材料になります。
専門家に相談する選択肢
判断に迷う場合や、深刻なトラブルに発展しそうな場合には、弁護士など専門家に相談することも検討しましょう。
オリジナルグッズ展開という選択肢
フィギュア制作で培ったデザインや世界観は、立体物以外のグッズ展開にも活かすことができます。
特に、オリジナルイラストやキャラクターを用いたアクリルグッズは、小ロット制作と相性が良く、初めての販売にも取り入れやすい方法です。
アクリルキーホルダーやダイカットグッズなどを検討する場合は、フルプリワークスのような、個人クリエイター向けの制作サービスを活用することで、品質や対応面での不安を軽減しやすくなります。
まとめ
自作フィギュアの販売は、著作権をはじめとした法律上のポイントを理解することで、リスクを抑えながら取り組むことが可能です。
特に、二次創作フィギュアの販売は、許可の有無や販売形態によって判断が分かれるため、慎重な対応が求められます。
一方で、オリジナルフィギュアやオリジナルグッズであれば、比較的自由度の高い活動が可能です。
正しい知識を身につけ、自分に合った形で安心できる販売方法を選択していきましょう。
