デザインが似ている時の著作権侵害リスクと注意点

クリエイティブな活動に邁進する皆さまへ。
デザインの創作活動において、他者の作品との類似性を気にされる方も多いのではないでしょうか。
特に、自身のデザインが著作権侵害に該当するのではないかと不安に感じることもあるかもしれません。

この記事では、デザインが似ている場合の著作権侵害に関する基本的な知識や、他者のイラストや画像を参考にデザインを作成する際の注意点を解説いたします。
デザインの類似性に関する法的リスクを理解し、安心して創作活動を続けられるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

□デザインが似ている場合の著作権侵害の基本理解

 

デザインが似ている場合、必ずしも著作権侵害が成立するわけではありません。
著作権侵害は、複製権や公衆送信権の侵害とは異なり、デザインが似ているかどうかの判断は「翻案権」の侵害に関わるため、判断が難しいケースが多いです。
翻案権とは、既存の著作物を基に新たな著作物を創作する権利であり、著作権法第27条で規定されています。
例えば、マンガを原作とする映画や、既存の楽曲をアレンジした楽曲などが翻案に該当します。

 

1:翻案権の侵害とは

 

翻案権の侵害は、既存の著作物を基に、その本質的な特徴をそのままに、新たな作品を創作した場合に発生する可能性があります。
しかし、既存の著作物を基にしていても、創作性が認められる場合は、翻案権の侵害とはみなされません。
つまり、既存の作品を単に模倣しているのではなく、独自のデザイン要素や表現を加えて、新たな作品として創作していることが重要となります。

 

2:偶然の一致の可能性

 

デザインが似ている場合、必ずしも翻案権の侵害が成立するわけではありません。
偶然の一致によって、似たデザインが生まれてしまうことも考えられます。
例えば、流行のデザインや、デザインの構成要素として一般的な要素などが、複数のデザインに共通して見られる場合があります。
このような場合、意図的な模倣ではなく、偶然の一致であると判断される可能性があります。

 

3:具体的な判断基準

 

翻案権の侵害かどうかを判断する際には、以下の点を考慮する必要があります。

・既存の作品との類似性
・類似している部分が、既存の作品の本質的な特徴部分であるか否か
・創作性
・意図的な模倣か否か

これらの要素を総合的に判断し、翻案権の侵害が成立するかどうかが判断されます。

 

□他人のイラストや画像を参考にする際の注意点

 

他人のイラストや画像を参考にデザインを作成する場合、著作権侵害に該当しないように注意が必要です。
特に、既存のイラストや画像の本質的な特徴部分を類似させてしまうと、著作権侵害となる可能性が高まります。
他人の作品を参考にする際は、以下の点に注意しましょう。

 

1:参考にする範囲を明確にする

 

参考にする範囲は、できるだけ限定するようにしましょう。
例えば、全体の構成や色使いを参考にしながら、独自の要素を加えてデザインを作成することが重要です。

 

2:本質的な特徴部分は類似させない

 

既存のイラストや画像の本質的な特徴部分は、類似させないようにしましょう。
例えば、キャラクターの表情やポーズ、背景のデザインなどが、既存の作品と酷似していると、著作権侵害と判断される可能性があります。

 

3:独自の要素を加える

 

既存のイラストや画像を参考にしながらも、独自の要素を加えて、新たなデザインとして創作することが重要です。
例えば、参考にしたイラストや画像にはない色使いや、オリジナルのモチーフを加えることで、オリジナリティーを高められます。

 

4:類似性の判断が難しい場合は弁護士に相談

 

デザインが似ているかどうか、著作権侵害に該当するかどうかは、判断が難しいケースも多々あります。
類似性の判断が難しい場合は、著作権に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談することで、専門的な知識に基づいた適切なアドバイスを受けられます。

 

□まとめ

 

デザインの類似性に関する著作権侵害は、翻案権の侵害に該当する可能性があり、判断が難しいケースが多いです。
他者のイラストや画像を参考にデザインを作成する際は、既存の作品の本質的な特徴部分を類似させないように注意し、独自の要素を加えることで、著作権侵害のリスクを軽減できます。
類似性の判断が難しい場合は、専門家に相談することをお勧めします。

創作活動を楽しむためには、著作権に関する知識を深め、法的リスクを回避することが重要です。
この記事が、デザイナーの皆さまの創作活動の参考になれば幸いです。

 

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